櫻田武です。
平成を代表するベストセラーのひとつに、解剖学者の養老孟司氏が著した「バカの壁」があります。
2003年に発売されて以来、累計発行部数が440万部を超えるという超モンスター級の書籍です。
この「バカの壁」のまえがきには、こんな文章があります。
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結局われわれは、自分の脳に入ることしか理解できない。
つまり学問が最終的に突き当たる壁は、自分の脳だ。(中略)
あるていど歳をとれば、人にはわからないことがあると思うのは、当然のことです。
しかし若いうちは可能性がありますから、自分にわからないかどうか、それがわからない。
だからいろいろ悩むわけです。
そのときに『バカの壁』はだれにでもあるのだということを思い出してもらえば、ひょっとすると気が楽になって、逆にわかるようになるかもしれません。
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養老孟司氏が主張しているように、私たちは自分の脳に入ることしか理解ができません。
さらに言えば、自分の脳に入ることすらも自分自身が無自覚で選別しています。
私たちは、見たいように見て、聞きたいように聞き、感じたいように感じているのです。
「私の話、ほんとに聞いてないよね!」
このような発言がキッカケで、いざこざが起こったりもしますが、このような現象は脳科学的には、至極当然のこととも言えます。
結局、バカの壁が働いているため、相手はあなたの話を自分の聞きたいようにしか聞いていないのですから。
ただ、だからと言ってコミュニケーションを取ることを諦めてはいけません。
むしろ、その逆です。
この「バカの壁」の存在を本当に自覚すると、だからこそ自分以外の他者とコミュニケーションを取る際には、
よっぽど対話を重ねなければならないことがおわかりいただけるでしょう。
そして、伝える側の視点からすると、何か物事を伝える際には、相手に1回で全てのことが伝わるという考えをもたないことが大切です。
相手の脳には、必ず「バカの壁」が働いています。
あなたの話を聴く際にも、相手は自分の意味解釈で全ての話を聞いています。
そして、その意味解釈が、あなたの意味解釈と同じだという保証はどこにもありません。
興味のある方、いちど「バカの壁」を読んでみて下さい。
「バカの壁」
今日もありがとうございました。
それでは、また。
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メッセージありがとうございます。
櫻田先生
いつもメールをありがとうございます。
以前勤務していた学校の1年生は、
勉強すること自体難しくて授業をするのも
工夫が必要でした。
算数のテストの丸付けをしている時に
一問だけほぼ全員が正解している問題があったのです。
しかもその問題はテストの中でも「発展問題」でした。
どうしたことか??と思ってよく問題を見てみると
これからあなたはお買い物をします。
100円をもっています。
ここに書いてあるものを、100円で買えるだけ
買ったら何が買えますか。
「ここに書いてあるもの」は、アイスや
キャラメルやあめなどお菓子でした。
普通の計算問題でも苦労しているお子さんが
多い中、普段の生活に近い問題はクリアしている・・・。
この子達は生活力はすごくあるんだな!!と
周りの先生達と盛り上がったことを思い出しました。
いかにその「生活」と実際の算数を結びつけるかが
こちらの課題なのですね。
もっと算数も工夫することができそうです。
日本全国、増水やコロナでまだまだ大変な
地域がありますが、櫻田先生も
くれぐれもご自愛下さい。
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なるほど、面白いですね〜。
あなたからのメールもお待ちしております。
皆さんも良い夏休みをお過ごしください。 それでは、また!
UDいわての研究大会。佐藤先生のご講演は、久しぶりに楽しみです。UDの先駆者のお一人ですからね。
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