櫻田武です。
「失敗は成功のもと」
という言葉をあなたも聞いたことがあると思います。
何事もチャレンジして失敗しても、それは必ず成功につながるからどんどん行動した方が良い。
チャレンジを重ね続けることの重要性を説いた言葉です。
ただ、この話ですが、興味深いことに、「失敗は成功のもと」になるのは”ある前提条件”が揃った時であるということが、脳科学の研究では明らかになっています。
逆に、この前提条件が揃わなければ、いくらチャレンジして行動を続けても、「失敗は成功のもと」にはならないということです。
では、その”前提条件”とは一体何でしょうか。
結論からお話ししますと、「自己決定感の有無」です。
物事を実行する際に、自分の意志をもって決めたことかどうか。。。。。
これが、失敗は成功のもとになり得るのかを左右するということです。
2013年に日本で実証された研究で、自分で選んだ感覚の「自己決定感」があると、失敗を「成功のもと」と捉え、やる気が高まり課題成績も向上するという脳の仕組みがあることが判明しています。
脳のなかには、前頭前野腹内側部(ぜんとうぜんやふくないそくぶ)という部位があるのですが、ここは悪いことがあると活動が低下します。
実験の結果によれば、自己選択をした場合にのみ、前頭前野腹内側部の失敗に対する活動低下が見られなくなったというのです。
つまり、自己決定が前提となる失敗においては、失敗をただ単に悪いこととして捉えているのではないことが示唆されました。
逆に、何かを強制的に行わされた状況下では、上記のような活動は見られなかったということです。
失敗を成功のもととできるかどうかというのは、「自己決定感の有無」にあるという研究結果です。
この研究結果を踏まえると、子供への対応の仕方も変わってくるのではないでしょうか。
まず、基本的に「やらされ感」のある学習では学びが少ないということになります。
私もそうですが、「やらされている」という仕事は基本的に生産性が低い。
自分から「これをやってみよう!」と能動的に決めたことに対しては積極的に取り組みますが、「やらされ感」や「義務感」で取り組んだ仕事は、振り返りをすることを怠ったり、上達のスピードも遅いように感じます。
さて、あなたはいかがでしょうか。
自分が仕事をするとき、「やらされ感」のある仕事ばかりに追われてはいないでしょうか。
そして、仕事を依頼するときも、相手が「やらされ感」のある仕事ばかりを依頼してはいないでしょうか。
大切なのは、「自己決定」することです。
いかに自己決定感をもって仕事をするかが「成功のもと」を創り上げます。
それでは、また。
今日もありがとうございました。
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