櫻田武です。
発達障害のある児童も分かる、できる、楽しい、おもしろいと思える授業づくりをしたいとずっと考えています。
本日は、その授業スタイルの概要を日本授業UD学会で発表したものからお伝えします。
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「にしせんスタンダード」
~みんなでわかって、みんなができて、みんな HAPPY!~
秋田県大仙市教育委員会教育指導部教育指導課
秋田県上級特別支援教育コーディネーター 櫻田 武
1 はじめに
前任校の秋田県大仙市立西仙北小学校は、平成 24 年度「新学習指導要領の趣旨を踏まえた学力向上等の方策に関する調査研究」の文科省指定を受け、算数科を中心に授業改善を行ってきました。
算数科を中心に 開発した「にしせんスタンダード」は発達障害の有無や学力の優劣を問わず、みんなにとって「わかる・で きる・楽しい」授業のユニバーサルデザインです。
2 「にしせんスタンダード」授業イメージ
「みんなでわかって、みんなができて、みんな HAPPY!」を合言葉に、全ての子どもたちが「こうすればどう?」と友達と一緒に考え、「なぜ?」と友達に問いを発し、「わけは・・・」と友達に答えたり友達の考えをつないだりしながら学び合います。 みんなの力でみんながめあてを達成し、評価問題では全員が正解することを目指します。
3 「にしせんスタンダード」のユニバーサルデザイン
(1) 本人に合った学習スタイル
①単元の全体計画の提示 ・単元の第1時に単元計画配布と全時の主要問題をノートに書きます。
②聴覚的・視覚的に分かる工夫 ・図や数直線、表をかく活動を積極的に行います。フラッシュ型教材を利用します。
③つなぎタイム1 ・本時の第1問題を教室内を自由に立ち歩き、友達と解決します。
④つなぎタイム2 ・本時のめあて達成(原理・原則のまとめ)を全員の友達で行います。そして評価問題の全員正解 をめざすために、適用問題を友達と解決します。
⑤めあてとまとめの整合性 ・めあての文末を「~は?」にし、まとめとのつながりを明確にします。
(2) 刺激量の調整
①視覚・聴覚刺激の調整
・黒板周りの掲示物を最小限にします。水槽は教室外に置きます。
②動きを取り入れた活動
・教室をたち歩き、学習する相手や場所を自由に決めてよいことにします。
(3) 構造化
①時間の構造化
・全クラスに「タイムタイマー」を配備します。
②単元の構造化
・第1時の全時間の主要問題を書く活動で、学習の大まかな流れをつかみます。
③45 分間のパターン化
・問題-めあて-自力思考-つなぎタイム1-つなぎタイム2-まとめ-適用問題-評価問題-ふりかえりのパターンで授業を行います。
④板書とノートの構造化
・板書とノートは対応させます。めあては青、まとめは赤で囲み、ノートは45分間で A4見開き 2ページを使います。
4おわりに
秋田県の学習状況調査においては、思考力・表現力の向上と、アンケートにおいては学習意欲・自己肯定感・関わる力の向上が見られました。
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もう10年前の研究となりましたが、基本的なUD授業の考え方は、変わらないと思います。
「第1時の全時間の主要問題を書く活動」、私は、こここそUD授業の重要なワイポイントだと思うのですが、未だに広がっていないですね。
新学習指導要領でも、何を学ぶのか、何のために学ぶのか、どうやって学ぶのか、どうなったらマルなのか、子供たちに知らせることの重要性に触れています。
ぜひ、お試しを。
それでは、また。
今日もありがとうございました。
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