櫻田武です。
あなたも私と同じように、「自分で決めたことが続かない…」「モチベーションが途切れてしまった…」といった経験があるのではないでしょうか?
その結果、「なんて、自分は意志が弱いんだ...」などと自分を責めてしまったこともはないでしょうか。
米国ノースイースタン大学の心理学教授デイヴィッド・デステノ氏の研究によれば、とある”感情”が自分の自制心を保つうえでとても大切であると言っています。
氏によれば、その1つが「感謝」なのだと言います。
彼が行なった実験の1つに、感謝の気持ちが、自制心や忍耐力を強化することを証明した実験があります。
手順は次のようなものです。
1 A、Bの2人の参加者に単純なパソコン作業を行ってもらう。
2 このうちBは仕掛け人として実験に参加している。
3 作業の終了間際、Aのパソコンが故障する。(もともと故障するよう仕掛けられている)
4 この際、Bが時間をかけてAのパソコンを直す。(AがBに対して感謝の念を抱いてもらうように促す)。
5 数時間後、Bは偶然をよそおいAに再会し、Bの主催する心理テストに「可能な限り時間を使って回答してほしい」とAに頼む。
6 この心理テストはとても退屈だったのにも関わらず、Aは普段の感情の人(パソコンが壊れない※比較のための参加者)と比べて30%以上も長い時間、テストに取り組むことができた。
ちなみに、興味深いのは心理テストの依頼者が先ほどのBとはまったくの他人であるCであってもAは通常より長い時間退屈なテストに耐えたというのです。
つまり、人は感謝の思いを巡らせるだけで、他者のために自分の時間や労力を犠牲にしてもよいといった辛抱強さが増すわけです。
さらに、実験を行ったデイヴィッド・デステノ氏によれば、この他者とはいわゆる自分以外の人だけでなく「未来の自分」にも適用されるのだ指摘しています。
したがって、感謝の気持ちを抱いていると、目の前の誘惑を我慢してでも「未来の自分」にとってポジティブなことを選択できるようになり、結果的に、数年先の目標などもを成し遂げられるようになる訳です。
だから、あらゆることに感謝の気持ちをもつ人ほど、結果として、物事に対するモチベーションが高くなります。
ポイントになるのは、この感謝の気持ちを継続的に持つことではないでしょうか。
つまり、感謝の習慣を築くことが自制心を保つのに役立つ、というわけです。
「ありがとう」が子供たちにとっても最強の励まし言葉であると言われています。
自分にとっても相手にとっても損がなく、簡単で効果的だとすれば、使わない手はないですね。
ということで、今日も”ありがとうございました。”
それでは、また。
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*櫻田の押し本
・論理だけでなく感性が必要とされる時代です。一読されることをお勧めします。面白いです。
直観を磨くもの: 小林秀雄対話集 (新潮文庫)
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